うれしかったこと

鷹狩りの季節がやってきました。

月山は雪で真っ白に覆われています。
晴れた日にはなだらかな姿がまぶしいほどに輝いて、
一日中わたしの家を見下ろしています。

鷹狩りができるのは、木々が雪に覆われる12月下旬から
3月中旬くらいまでの3ヶ月足らず。
いやがうえにも気持ちが高まります。




わたしはいま、去年ロシアから入手したメスのイヌワシを訓練しています。

まだ狩りの経験がない若いイヌワシで、名前は「デルスウ」。

訓練はもう最終段階で、まもなく狩りに出られると思います。

イヌワシはクマタカよりもさらに一回り大きく、体重は5kg近くもあります。
これまでで最大のパートナー「デルスウ」が
どんなハンターぶりを見せてくれるのか、
毎日妻子とよりも長い時間を共にしながら、胸をワクワクさせています。







ところでわたしは山や海が大好きで、
鷹狩り以外でもいろんな山に登りますし、
夏には海に行ってシュノーケルで潜ったりします。

登山ガイドや少年指導などの仕事のときは別にして、
一人息子の浩平を連れて行くこともしばしばです。

去年の夏、鶴岡にほど近い海に浩平と遊びに行ったとき、
とてもうれしいことがありました。

海水浴場のはずれの磯で泳いだり水中生物を
つかまえたりしていたのですが、
浩平が突然「ぼくの父さんはサザエやウニをつかまえる天才なんだぞ!」
と叫んだのです。

近くにいた海水浴の子供たちに自慢したかったのでしょう。
わたしは恥ずかしさもありましたが、それよりもうれしさでいっぱいでした。



わたしは浩平に自然の中で生き抜く力と技術を身につけてほしいと願っています。
そして人間は自然の一部だということを体で知ってほしいのです。

将来どんな職業に就くのかわかるはずもありませんが、
生きる基本はひとつだと思うからです。
浩平はわたしの願いを受け入れているのかもしれません。





2001年2月4日
松原英俊

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